ご挨拶
一般社団法人静薬学友会 会長 安倍道治 (昭和46年卒)
会員の皆様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと思います。日頃、学友会の活動に対してご理解とご支援をいただき、この場を借りて、お礼申し上げます。また、私は、本年6月の理事改選において、引き続き、代表を仰せつかりましたので、今後も、県大薬学部との連携のもと、静薬学友会並びに薬学部の発展のため、微力ながら努力する所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、静薬学友会の歴史をさかのぼりますと、昭和28年(1953年)に静岡薬科大学の開学に伴い発足し、今年は発足後、丁度70年目の節目の年となります。当初の会名は、「静薬同窓会」と呼称されていましたが、昭和55年(1980年)に現在の「静薬学友会」に改め、会報創刊号を発行しました。その後、薬学部創立百周年を機に平成30年(1918年)に、他の国公立薬学部に先駆け、一般社団法人化し、今日に至っています。70年という同窓会の歴史と今日の発展が先輩諸氏の無償の努力の連鎖で積み上げられてきたことに、あらためて敬意を表したいと思います。
ところで、コロナ禍により、私どもの生活環境に大きな変化がもたらされましたが、それ以上に、第4次産業革命とも言われているDX(デジタルトランスフォーメーション)により、社会が大きく変わろうとしています。この変革はITやロボットを含むAI(人工知能)の進歩によるところが大きく、多くの人的業務は早晩AIにとって変わり、医療や介護の世界にも大きなインパクトをもたらすものと言われています。
薬剤師の業務も然りで、DXへの対応が急務かと思います。これまで、多くの時間を割いてきたコア業務である調剤にかかわる定型的な対物業務は、調剤補助者へのタスクシフトに加え、調剤ロボットの活用が一層進むほか、今後は、薬歴管理や服薬指導などの対人業務の多くが、AI等にとって代わるなど薬剤師業務の合理化、効率化が急激に進むものと思われます。このようなDX社会の到来を見据えて、薬剤師は、自らの存在価値(レゾンデートル)はどこにあるのか、これまでの価値観や固定観念にとらわれず、今から、その問いへの回答をしっかり持ち、必要な研鑽を積むことが求められています。あくまで個人の見解ですが、DXが定着した社会における薬剤師の定義とは、突き詰めれば、「ITやAIを活用して、医薬品の安全確保を含む適正使用の担い手である医療専門職種」ということになるのではないかと思います。
静薬学友会の今後の活動ですが、大学の発展への寄与、とりわけ学生支援への強化を行うとともに、少しずつですが、地域医療にも関わりを深めていきたいと考えています。会員の皆様におかれましては、今後とも静薬学友会の活動にご理解を頂き、倍旧のご支援、ご助言をいただきますようお願い申し上げます。
令和6年10月1日